教員紹介

教員紹介

佐藤 光三 教授  個人のページへ

佐藤光三 教授

我々の世代に突きつけられた地球規模での環境とエネルギーのジレンマを前に、大学における研究成果には実効性の付与がこれまで以上に求められ、実践的工学による具体的解決策の導出が急務となっています。この要請に応えるために学者は象牙の塔に籠ることなく、研究対象とする課題の空間・時間的総体を社会とのつながりの中で確認しながら思考し行動すべきと考えます。本センターにおける研究活動では、産業界との密な連携にも留意し、研究に対する社会からのフィードバックと相互協力を最大限に活用しようと考えています。また、そこで得られる研究成果や問題の解決策については、多面的に吟味することが重要であると強く感じます。産業革命以降の飛躍的な利便性の向上に人知の集積として工学は大きく寄与しましたが、利便の対としての環境破壊を予見しこれを回避する手立てを事前に示してはくれませんでした。工学の人類への貢献は勿論認めた上で、工学の産物がリスクフリーではない事実も自戒をもって受け入れるべきでしょう。自然の系との調和性を尺度にするなど、環境とエネルギーのジレンマに対する解のロバスト性をより高めることに留意しながら、評論家然とした傍観者になることなく、自ら問題解決に当たる研究者であり続けたいと思っています。

加藤 泰浩 教授  個人のページへ

佐藤光三 教授

日本の最先端産業を支えているレアメタル・レアアース資源や有用金属資源がどのように生成し濃集したのか、そのメカニズムを解明する研究を行っています。こうした有用元素資源は、地球表層の物質循環により生成されているので、資源の成因の解明は地球の物質循環を解明することにもなります。特に次世代の資源として、海底鉱物資源や宇宙資源を重点的に研究し、日本の産業界に貢献したいと考えています。その他にも、地球が誕生して以来46億年の間に、地球環境がどのように変動したのか、特に大気-海洋系の二酸化炭素濃度や酸素濃度がどのような地球システムに支配され、変動してきたのか(これから変動しうるか)に興味を持ち、研究しています。こうした地球表層システムの基礎データを集積し、グローバルな環境問題の解決に貢献したいと考えています。とくに、二酸化炭素濃度の上昇による地球温暖化に歯止めをかけることが、我々の研究室の最重要課題です。また、地球表層で堆積した堆積物(堆積岩)に残された地球化学的証拠(微量元素濃度やSr、Os同位体など)を解読することで地球史を通じたグローバルな環境変動を解明しようとする研究や、過去の地球環境変動を復元することにより、現在の地球温暖化のメカニズムを明らかにする研究も行っています。

松島 潤 准教授  個人のページへ

松島潤 准教授

エネルギー・資源に携わる技術者・研究者の使命は、エネルギー・資源の安定的な供給です。では、どこまで供給することが求められているのでしょうか。自給率という言葉が最近メディアに頻繁に出てくるようになりました。自給率は分数で計算されますので、自給率を向上させるには分子である国内供給量を増やすか、分母である総供給量を減らせば良いわけですが、国内供給量を増やすことばかりを考えてしまいます。その一方で、地球の有限性に起因したエネルギー供給の不確実性の中で、需要側の視点は重要になってくると思います。省エネルギー技術も大切ですが、エネルギー消費構造の根本的な仕組みを変革するための社会システムやライフスタイルを科学的に考える時期に来ているのではないでしょうか。今後人類が使用できるエネルギー・資源は量的側面ばかりでなく質的側面でも不確実性を有しています。科学合理的な技術評価に立脚した俯瞰的技術論を展開するとともに、エネルギー・資源論的視点から社会システムのあり方を探求していきたいと考えています。一般市民の目線に立って考えることが、むしろ新しい学問を創ることもあると思います。最後になりましたが、これまで物理探査技術に関する研究に携わってきましたが、こちらの分野におきましても今後とも研究を推進していく所存です。

長縄 成実 助教  個人のページへ

長縄成実 助教

エネルギー・資源フロンティアセンターの一員として、人類社会の安定持続に向けたエネルギー・資源パラダイムの探求と新技術の選定というエネルギー・資源俯瞰部門としての役割を担う一方で、石油・天然ガス開発の根幹を成す技術分野である坑井掘削工学というのが私の専門でもあります。石油産業のなかでもいわゆる上流部門である石油開発は日本国内では比較的馴染みの薄い分野ですが、資源の少ない日本でこそ上流部門における高い技術力や人的貢献がエネルギー資源の安定供給のために必要とされています。
現在の石油坑井掘削技術では、1万メートルを超える深度の地下の掘削が可能です。宇宙開発に比べれば1万メートルという距離はなんと小さなものかと思われるかもしれませんが、地球の内部はその高々1万メートルの深さですら今なお十分に解明されていません。1万メートルを超える地下の掘削には宇宙開発に匹敵する最先端の技術が要求され、そのために我われは日夜研究・開発を行っています。現在、石油・天然ガス開発のみでなく、超臨界地熱資源やメタンハイドレートなどの非在来型炭化水素資源、海底鉱物資源の開発、さらには二酸化炭素の回収・貯留 (CCS) や放射性廃棄物地下処分のための坑井掘削など、あらゆる分野の掘削工学に関するテーマに取り組んでいます。

連携研究員

増田 昌敬 教授  個人のページへ

増田昌敬 准教授

現在、サブプライムローン破綻に端を発した世界的な景気後退に加えて、資源ナショナリズムの台頭など、日本のエネルギーセキュリティを脅かす動きが徐々に進行しています。この厳しい世界情勢の中で日本の安定持続な発展を目指すために、その産業基盤を支える国産のエネルギー・資源の確保が最重要と位置付け、次世代のエネルギー資源「メタンハイドレート」からのガス生産手法の研究開発を行っています。東海沖~熊野灘の海底下には約1.1兆m3のメタンガス(国内ガス消費量の約13年分に相当する量)を含むハイドレートの存在が明かにされましたが、さらに、日本周辺の全海域に分布するメタンハイドレートには約12兆m3のメタンガスの存在が推定されます。この膨大なエネルギーの利用へ向けて越えなくてはいけないハードルは、海底下のハイドレートから経済的に効率良くメタンを取り出す技術体系の構築です。難しい研究課題ですが、資源工学、海洋工学などの先端知を融合させて、シーズとして存在する様々なフロンティア技術を実用レベルまで上げることにより、最適解を早期に見つけることは可能でしょう。チャレンジング精神を忘れずに研究に打ち込むとともに、今後のセンターでの啓蒙・教育活動を通じて、複雑化する国際社会で通用する技術者・研究者の育成にも貢献したいと考えています。

小林 肇 准教授  個人のページへ

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エネルギー・資源の安定的供給と地球温暖化は、人類の発展を維持する上で、表裏一体の課題です。私たちの研究室では、これらを「炭素循環の不均衡化」と総括してアプローチし、その不均衡を解消する「持続型炭素循環システム」構築を考究しています。 石油・石炭・天然ガス等の化石資源は、そもそも二酸化炭素を炭化水素へと変換し細胞膜として利用する微生物が起源と考えられています。私たちは、その化石資源の燃焼により放出された二酸化炭素を、微生物を利用して炭化水素(メタン)に再変換し、エネルギー資源として利用する「炭素変換」技術の開発に取り組んでいます。さらに、バイオ粒子を利用した、新しい石油・天然ガスの増進回収や流体挙動モニタリング手法の研究を行っています。エネルギー・資源フロンティアセンターの学際的な環境と資源産業界との連携を活用し、多様なエネルギー技術を分野を越えて柔軟に組み合わせ、未来のための技術研究に貢献したいと強く望んでいます。

合田 隆 准教授  個人のページへ

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石油や天然ガスをはじめとする流体エネルギー資源の開発には必ず不確実性が伴います(寸分の誤りもなく回収量を予測することはできません)。そのため、モンテカルロ法に代表される確率的シミュレーションによって「どの程度不確実性があるのか」を評価するのが一般的なアプローチです。ただし、不確実性を評価するという行為は、それ自体が目的なのではなく、意思決定の合理化や開発システムの最適化といった目的を達成するための手段に過ぎません。同様に、追加情報を取得することによって不確実性を減らすことも、それ自体が目的なのではありません。意思決定や最適化といった目的に対して、不確実性を減らすことがどれほどインパクトを与えるのかを知ることによって、適切な情報収集のあり方を特定できます。このような背景から、不確実性を低減することの価値の定量化を一つの重要な研究テーマとして掲げ、先端的モンテカルロ法(準モンテカルロ法やマルチレベルモンテカルロ法)を駆使した新しい数値解析手法の開発から実際的な問題への応用まで広く研究を行っています。