エネルギー・資源フロンティアセンターは、2008年4月に、東京大学大学院工学系研究科の下に新設された研究センターです。工学系研究科には同時にシステム創成学専攻が設立され、当センターの母体となる旧地球システム工学専攻(旧資源開発工学科)がこの新専攻に加わりました。
エネルギー資源や鉱物資源の安定供給と、地球環境と調和した資源利用の実現は、人類社会が持続的に発展するために不可欠な要素であると考えられます。環境調和型技術への転換を目指す世界的な潮流や、新興諸国の目覚ましい経済成長を背景として、エネルギー・資源に係る課題解決のブレークスルーとなる新たな工学知の創造や、既に社会実装されている知見・技術と新技術の統合・体系化が、今後ますます重要となることでしょう。エネルギー・資源フロンティアセンターは、深海や宇宙のフロンティア資源の発見・探査、新規性の高いフロンティア技術の開発の推進、環境に配慮した革新的な資源開発システムと最先端技術の創成を目指します。特に低炭素排出型エネルギー資源開発に応用可能なCCS (Carbon dioxide Capture and Storage)、将来の国産資源として期待される日本近海のメタンハイドレートの開発、排他的経済水域の海底鉱物資源 (レアアース泥、マンガンノジュールなど) の探査と開発、人工的なプロセスによる資源の創成などの最先端の研究を重点的に推進します。
「エネルギーや鉱物資源は海外から輸入すればよい、買って来ればよい」という時代は終焉を迎えつつあります。目まぐるしく移り変わる国際社会情勢の中で、資源を持つ国が自国優先主義へと突き進めば、日本がエネルギー・資源を安定的に確保することは一層難しくなると考えられます。私たちは将来にわたってエネルギー・資源の安定供給を可能とするフロンティア技術を創出する最先端の研究拠点を構築し、産業界や国と密に連携して革新的なエネルギー・資源システムを創成します。
工学系研究科附属エネルギー・資源フロンティアセンター
センター長 増田 昌敬
人類社会の安定持続に即したエネルギー・資源パラダイム形成に向け、必要なフロンティア技術群を評価・研究・構築し、これを以って産・官・学連環を通じた対応機能と複合知の創成に資する。
近未来のエネルギー・資源安定供給の支保たるべきフロンティア技術研究の活性化と開発促進へ向けた学術的拠点を創出すること、ならびに、その幹枝を学内関連部署から政策策定機関・産業界へと伸ばし、研究成果を社会に還元する産官学連環拠点を形成することを目指して活動する。そのために、大学の中立・専門・学際性を十二分に活用の上、他の社会領域との広汎多岐に亘る連携を図る。
平成18年3月に工学系研究科は、JOGMECとの間で、両者の技術開発能力・人材・設備を相補的に活用することにより相乗効果を高め、石油・金属の資源エネルギー問題に関する我が国の学術及び技術開発の発展に資することを目的として、資源エネルギー分野での包括的連携・協力の推進に関する基本協定を締結した。
・アブダビ石油大学 (PI)
・スタンフォード大学 研究コンソーシアム SUPRI-Tides
・東京大学内のエネルギーに関する他センターと連携して研究を進めています。
・先端電力エネルギー・環境技術教育研究センター(APET)